人間性豊かな子供の育成をめざして。

今井保育園

★保育書にも紹介され、地方の保育園、幼稚園関係者も見学にくるという「今井保育園」。
保育にかける情熱に接し、大きな感動を覚えました!

 千葉市中央区今井の住宅街にある「財団法人 今井保育園」は、京葉線蘇我駅から徒歩2分のところにあります。
 大森権四郎理事長と大森喜久代園長ご夫妻の特色のある保育理念の基、職員全員で保育の環境づくりを実践している保育園です。

  大森喜久代園長

――今井保育園の保育の特徴をお聞かせください。

 保育の取り組みとして異年齢保育・障害児保育、そして地域との関わりとして育児相談・老人交流などを行っています。また、延長保育や一時保育を実施しています。

 異年齢児保育とは3〜5歳児を同じクラスで保育することですが、現代の子ども達は異年齢の子ども達との関わりが少なくなっています。異年齢の子どもが関わることで年上の子ども達が小さい子どもをリードしたり、時には我慢したりと、年下に対する接し方、年上に対する関わり方など、いろいろな経験ができるのです。でも同じ年齢の子ども同士の関わりも大切ですので、週2回体操とわらべ唄遊びは同じ年齢の子ども達と過ごします。

 障害児保育では、障害は個人により様々ですが、障害の有無に関わらず同じ社会に暮らす子どもと考えて保育を行っています。一人ひとりに合わせて療育センター等専門機関と連携しながら取り組んでいます。

 一時保育は、保護者の様々な事情により、一時的にお預かりしますが、通常の保育の子ども達の中に入れて肩身の狭い思いをしないよう、一時保育専用の保育室で一時保育専任の保育士が保育しています。

また、子育てに悩んだり疲れたりしたときには育児相談をいつでも受け付けています。

 今井保育園の保育は「人としての尊厳を」を大切にし、子どもでも一人の人間として向き合うことを基本に、全職員が取り組んでいます。例えば、往々にしてやりがちなことですが、赤ちゃんのオムツ交換ひとつとっても、部屋の真ん中で他の子を見ながらオムツを取り替える。それは大人だったら絶対にしないことで、赤ちゃんでも恥ずかしいと感じていると考えます。赤ちゃんだからいいだろうとやっていることですが、それはやはり見えないところでやらなければならないとことだと考えています。また、赤ちゃんの食べようと言う気持ちを大切にせず、一定の決められた量を食べさせようと口につっこんでいるところが多々あります。当保育園では赤ちゃんが口を出すまで待つ、赤ちゃんが食べるという意思表示をするまで待つ、そういう保育をしています。

 さらに子どもの環境づくりで大切にしていることは、大人が選りすぐった遊具・玩具や絵本を子どもに触れさせる。遊具(玩具)については基本的には木製のもの・色使いは色の三原色を使ったものの他、手作りおもちゃも豊富です。絵本については原作ものを中心として0歳児〜年長児まで一日2回は読み聴かせをしています。子ども達はその時間をとても楽しみにしています。

 また子ども達との信頼関係づくりにわらべ唄は欠かせないもので、日常の中でピアノや楽器がなくても、手と手を触れ合い、目と目を合わせ、安心感の中で保育されるよう、オムツ交換の時や遊びの中でも唄っています。

 見ていただければわかると思いますが、子どもの声は聞こえますが、大人の声はほとんど聞こえない。保育者が大きな声で「こっちへ集まって〜!」などということはありません。0歳児であっても5歳児であっても、この次に何をするということが見通しのもてる保育ということが大切だと思います。

 保育園は子どもの人格形成の最も重要な時期を長時間過ごすところです。子ども達が自己発揮できる環境づくりと保護者が安心して預けられる保育園を目指し、人間性豊かな子どもの育成に努めたいと思っています。

 

――とても素晴らしい園舎ですね。

 縁あってドイツの保育を勉強する機会を得、ドイツの保育環境が大変勉強になりました。そして、良い設計士さんに巡り会い、園舎改築のため、一緒にドイツやスウェーデンの保育施設の視察に同行してもらい、子ども達が落ち着いて過ごせる保育環境を理解していただけたことは本当に良かったと思っています。そして完成したのがこの園舎です。いろいろと工夫していただいた点がたくさんあります。

 まず保育室ですが、子ども自身が自分で遊びを選んで取り組むという部屋づくりになっています。保育室の中は積木のコーナー・おままごとコーナー・絵本のコーナー等5つくらいのコーナーに分かれていて、「今日保育園に行ったら何をしようかな?」と子どもが自分で考えて選ぶ。子どもの気持ちや意志を無視して保育者が子ども達を動かすということではなく、自分で考えて行動する。好きなことをやるときは一番集中力が付くと思います。子どもが自分で選び、集中することで遊ぶ力がつくと思います。例えば冬季オリンピックの時の時期だったりすると子ども達は積木でゲレンデを作ったりするのですが、そのとき保育者は冬季オリンピックの新聞記事を積木コーナーの壁に張り出したり、綿を用意します。風邪のはやる時期になるとお医者さんごっこが始まります。それで白衣や薬ビン・診察券を用意したり…。保育者は子ども達の遊びを見ながら、いま子ども達は何を欲しているのか、そしてその遊びがどう発展するのかを見ています。また毎日たくさん読み聴かせをしている絵本の中の建物を作ったりします。こうして遊びを通して子どもの力を伸ばす、そういう保育です。

 園児用ロッカーにも工夫をし、たいてい窓側や壁に沿って備え付けられていると思いますが、当園では保育室を入ったところに設置してあります。朝夕の送り迎えの際に30人前後の保護者が出入りする保育室では、保育室の入口付近に園児用ロッカーを置くことで大人が保育室内を横切ることなく子ども達の荷物の支度等を入口付近で済ませることができ、子どもの生活のリズムを崩さないようにと考えました。

 また、各保育室にはトイレがありますが、特に排泄の頻度の一番高い0歳児の保育室のオムツ交換台は保護者や保育者の身長に合わせて高さを変えてあります。歩けるようになった子が自分で横になって交換できる交換台、そして自分でできるようになったときのための便器、1〜2歳児のトイレには扉付のトイレ等、発達に合わせて使えるようになっています。

 他にもいろいろと工夫した点はありますが、人間を育てる、0歳から6歳までの大切な時期をどう育てるかということを基本に常によりよい保育環境を考えています。
     
玄関   オムツ交換台   絵本貸出コーナー   積木コーナー

――園の保育方針を徹底させるのは大変だと思いますが、どのように先生方に伝えていますか?

 園長の基本理念を基に職員がまとめた「保育の基本と実践」という冊子が各保育室に置いてあります。この冊子には食事面や延長保育も含め、午前7時から午後8時までという長時間にわたる保育時間の流れが書かれていて、各年齢の育ちをしっかりと捉えながら保育者がどうしなければならないのか等、0歳から6歳までつながりのあるものとなっています。

 

 この他に毎朝の朝礼、毎夕の各クラスの反省会、毎月の職員会議、その他園内会議において、職員全員の共通理解を図っています。また、他園への見学、見学の受け入れ、研修への参加を通して研鑽に努めています。

 

 

――将来のユメは?

 毎日保育に携わる中で感じていることですが、父親との関係が希薄な子ども達も少なくありません。そこでお父さんに焦点をあてて、父親との「お泊まり保育」ができたらいいなと思っています。スイカ割りや花火をし、一緒に寝る…。父子にとってとてもいい想い出になるのではないのでしょうか。

 また、いま保育園に求められている役割として従来の保育活動にとどまらず、地域の保健センターや小学校と連携しつつ、育児講座の開催や育児サークル・子育てひろばに保育園から園長や保育士が出向き、子どもとの関わり方や遊びの支援をしていく等、地道に実践していくことをさらに進めていきたいと思います。

 

取材後記:
  「現場を見ていただいたほうがいいから」と、園内を理事長と園長先生が案内してくれました。
  今井保育園の理念に基づき、いたる所で創意工夫が施されている園舎は、あらためて子育ての大切さを教えてくれました。
  200名ちかい園児一人ひとりに、自分の子ども同様に愛情持って接している理事長、園長ご夫妻。一人ひとり、大事に大事に育てているという想いがたくさん伝わってきました。
  本日は、お忙しい中、ありがとうございました。

保育園概要

財団法人 今井保育園

所在地 〒260-0834
千葉県千葉市中央区今井2-12-7
ナビ最寄駅 蘇我
地図 ここの地図
TEL 043-261-5627
FAX 043-263-5600
ホームページ http://www.imaihoikuen.or.jp/